デッサン日記


               2009年7月9日(木)       精霊


先日、高校時代からの友人に一冊の本をもらった。

熊谷達也著『邂逅の森』、東北のマタギを主人公にした直木賞受賞作だ。

マタギの伝承の中に『山の神』がでてきて狩猟の中でも掟や儀式がその世界ではとても重要なことであった・・・主人公は存在を半信半疑のようであったが。

こういう伝承は語り継がれてきた部分もあろうが、その土地その土地またいつの時代にも自然や神、精霊と通づるシャーマンのような人が存在し、自然や神・精霊と対話してきたものが蓄積されてきたのであろう。
それは宗教ではなく、伝承や経験に培ったマタギ世界秘密の教え・掟でもあったのであろう。


『山の神』は確実に存在する。
伝承するシャーマン一人ひとりの解釈は違っていても、おおよその山での『山の神』の教えは似通ったものになる。


万人むけではないかもしれないが精霊や霊魂と語り合える人はいる。
霊能者と称する人や、精神病院でブツブツ言っている人たちもそうでしょう。
まあ現代ではそういうことをノタマウと狂人かその隣であると思われがちですが。


敏感な人は得てしてそういうものに触れたとき恐怖感から発狂してしまうことが多い。


しかし山の民など自然の中で忠実に生きてきたものにとってそのシャーマンの言葉は素直に受け入れられるものだったのです。



                 2009年7月3日(金)  壁

 
とうとう壁に穴を開けたかもしれない。

ここ20年ほど私の前に立ちふさがっていた壁。


現在私がやっている念描写は内動を使って描いている。

内動とは、小指で釣り鐘を動かすごとく・・・、

PCで言うと仮想メモリのようなものでは・・・。

野口体操を知っている人は内動を理解できると思います。


内動は一つではなく、幾つもの内動を同時に出すことによって複雑な動きをコントロールできるとの確信を得た。

今までは一つまたは二つ(右目用、左目用)であったのだが・・・。

手首から先・・・少なくとも三つの内動とタッチ割内動で四つ。
このタッチ割内動に気がついたことが転換点になった。



この年になって、ようやくスパートできそうである。


ただ・・・狂うてしまわないことだ・・・・私の友人は60才を越えて狂うてしまった。


描いてはいけないものを描こうとしているのかもしれない。




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