デッサン日記

            9月24日(金)     名器の音

もう5,6年前になるだろうか、友人がやっているオーディオショップでAccuphaseのプリメインアンプとRCF(イタリア製)のスピーカーを分けてもらったのは。それまで聴いていたスピーカーはDENONの一個60kgもあるスピーカーでなかなかよい音がしていたのだが、いかんせんマンションで性能を発揮できるだけの音量を出せないので、小さい音でもいい音がするスピーカーを欲しいと相談した。
いろいろ聞かせてくれたけど、小さなスピーカーでも大きなスピーカーに負けない音量と切れのよさ、品のある音、友人も商売人でその辺は抜け目ない。やはりRCFのスピーカーの音が気に入ってしまった。値段は日本製の同じくらいの大きさのものの10倍の値段。
そうなるとアンプもそれに見合ったいいものが欲しいが・・・、店で試聴用に使っていたAccuphaseのアンプを『君なら、半額でよい・・・』とまたスピーカーも半額でよいというので女房に内緒で銀行からおろして買ってしまった。

家に帰ってセットをして聴くと涙が出るほどよい音でした。当時使っていたCDプレイヤーはマランツの15万円もしたものですが、ほどなくイジェクトの具合が悪くなり新しい5,6万のDENONのCDプレイヤーに変えたのです。そのとき入出力の接続をするのに、ラックの裏から手探りでラインをつないだのが悪かった。
セッティングがすんで視聴すると音は出るので気がつかなかったのですが。

最近ハイビジョン液晶テレビ(PC入力できます)を買ったので、ハイビジョンレコーダーや5.1chスピーカーの光端子が3個もあるので、CDからもと背面を(ラックカバーでふさがっていますが5cm角ほど接続用に穴があけてある)懐中電灯で照らすと、CDからのアナログ出力の接続がとんでもないやり方になっていた。
アナログ出力は可変出力と固定出力の2系統あるのだが、その可変出力の右ともう一方の固定出力の左に接続されていたのだ。そんな接続でよく音が出たなとおもったが、どうりでCDからの音が今一感心しなかった。そんなものかとあきらめていたのだ・・・。

接続を可変出力の端子に右左接続して今日の昼間に試聴した。思っていたとおり音は素晴らしい音に変身していた。これほどまでにいい音になるとは・・・。
買った当初、FMから録音した音楽を聴いて涙を流したものです。でもCDではそれほどまでの感激はなかった・・・・あんな接続ではよい音になるわけがない。5,6年もそんな状態でCDを聴いていたのだ。私の耳もまあ良いほうでしょう、そのCDの音にあまり感心しないのであまり聴かなくなっていました。
改めて接続しなおして聴くCDからの音楽には脳のしわが一度のびて収縮するような感動を伴いました。これほどの音が出るとは・・・。改めて友人に電話して音のよさのお礼を言ってしまった。
いくら5.1chだPCM録音だといってもTVやFMから流れる音ではCDにかなうわけがない、CDというのは最高の音を個々の楽器などから最高の状態で録音しているからです。5.1chも今の放送ではあまりやっていなくて、先日NHKhiでやった『東京JAZZ』が5.1chであったが、いかんせん会場が広く、楽器の音は電子音に変えられており個々の音はあまり良いとは言えなかった。デジタル5.1chの音がCD並みと宣伝しているが、今のところ、FMの音とCDの音の差位あるのではないだろうか。

『宝の持ち腐れ』とはこういう状態だったのでしょう。でもまた、今までにあるCDを聴くのが楽しみになりました。


              9月22日(水)     気の先は念

ここでいう『気』とは呼吸の気、気合の気、気功などで使う気と同じです、私は今まで念描写をやってきて、念と気は同じものであると思っていた。

つい最近その『気』と『念』が似ていはいるが、別のものであるということに気がついた。

50歳を過ぎてもなかなか壁が越えられず、このまま終わってしまうのかとの思いもありましたが、先日来仕事を進めるうち、気の先に念があるということに気がついた。気で合わせ、念で描く。気だけでは描き進めない、念だけでも描きこむには至難のことだ。
・・・・・こんなことを言っても、誰にも判らない。私にしかわからない。
体内(指先まで)は気、その先(筆から画面)は念。この使い分けができるようになったら、今まで堂々巡りをしてきた絵を描き進めることができるようになった。
転機かもしれない、行けそうだ。


                 8月30日(月)    ネズミがいる!!

 昨日外出から帰って、私の部屋のドアを開けると、床にネズミがいるではないか。
 一瞬ネズミだと思ったのですが、次の瞬間よく見ると、私の部屋で飼っているハムスターだということに気がついた。どうも動きが鈍い、捕まえてくださいというような動きだ。両手でそっと捕まえケース(水槽二個と2階建てのケースをダンボールでつないで行き来できるようにしている)に入れた。

 メスの『チビ』だとすぐわかった。
ケースに入れてしばらく様子を見ているのだが、どうももう一匹のオスの『元気』もいない・・・。
今朝起きて、ケースを点検したところ、アクリルの透明のフタの留め具がキチッとはまっていなくて、押せば外へ出られるようになっていた。以前もオスの『元気』に逃げられ私の迷路のようなアトリエ兼書斎を大騒ぎで探した経験がある。またかと思い、少し探して出てくるのを待つことにした。案の定、夕方薄暗くなるとちょろちょろ出ていた。素手ではすばしっこくて捕まえられないので、釣りの時のタモを使い、ようやく捕まえて様子を見ていると、どうもまたメスの『チビ』もいない・・・。
しばらく忘れて仕事をしていると、ノソノソと『チビ』も出てきた。お腹がすいたのであろうか素直に捕まった。
今度はケースのフタもしっかり閉め、もう出られないだろう。不思議なことに、一匹がいないともう一匹が相方を探してケース中を掘り回る。いつもは出会うと喧嘩しているオスとメスで『遅すぎた春』が原因で子供がいない。外に出られれば自由に動けるので、出たいであろうが、このロボロフスキーとかいう種類は余りなつかないので、ケースに戻らなければ、えさや水も取れず死んでしまうだろう。

それにしても、ケースから出ているところを見たら、ネズミと見間違える風体である・・・・・。


追伸;夜仕事をしていて、そっと覗くと、二匹がピッタリと寄り添って寝ていた。よほど寂しかったのであろうか、いつも会えば喧嘩しているツガイですが、相方がいなくなればどれほど寂しいことか良くわかったようです・・・・・。


                   8月26日(水)    旅の始まり

 夏もそろそろ幕を閉じ、山にもススキが垂れ、秋の色づきを始めるころです。

今年の夏山は思い出深い山であった。
今月の終わりに、南アルプスを縦走する計画がありましたが、止めることにしました。
 去年の大雪山もそうでしたが、今年の飯豊連峰の思い出を鮮明に残すためには南アルプス縦走は忙しすぎる。南アルプスは来年にとっておきます。

トップページの『飛び立ってしまおうか、鳥海山』という絵は、まだ東京に住んでいるころ、いろんな意味で『このままでは、行き詰ってしまう・・・』と、職も住んでいるところも、生活も全て捨て、上野発の夜行列車に飛び乗り、明け方車窓から飛び込んできた白い雪山が、後から調べたら鳥海山らしいということがわかり、『月山』と共に描いた絵がこの『飛び立ってしまおうか・・・、鳥海山』である。一瞬車窓から見た山が忘れられない光景でした。対で描いた月山などは、山を見ていない状態で描いた作品です。
 
この旅というのは、いわゆる『夜逃げ行』でした。別に借金があったわけでも、失恋したからでもなかったように記憶する、ただ息苦しくなって東京での生活を捨てたのである。
そのころはまだ生きていた親爺(交通事故の後遺症で足が悪かった)にアパートの後片付けやら、私の消息不明やらでさんざん迷惑をかけた・・・。

そんなことで東北の山は思い入れがある。私は西のほうで生まれたので、どうしてか逃げるのは東、いや北の方角になってしまう。その夜逃げの時は5月か6月で北海道へも渡ったのであるが、北海道ではまだ寒くて野宿できなかった。それでまた東北に戻ってきて、しばらくいたように記憶している。


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