デッサン日記


         2011年 12月10日(土)   教われない理由


   今回は念描写についてではなく油絵の技法についてです。

油彩画はヨーロッパで開発され技術も蓄積されてきた技法である。

日本の油絵は明治維新文明開化以来100年の歴史もないほどである。

今回語るのは『おつゆ描き』、ダビンチ、レンブラント、最近ではウイーン表現派なども煉度の高い技法を使っているようです。

悲しいかな私たちは印象派以降の『おつゆ描き』とは別の描法画法が大量に入ってきて正統な(?)油彩画の技法に接することは少なかったように思う。

ヨーロッパに行き過去の名画に触れることでその技法を垣間見ることができるが悲しいかな見るだけでは皆目技法などわかりません。
昔のヨーロッパでは工房にいて先輩や師匠の技を盗む以外にはなかったと思う。
それは決して教えられなかったと思う。
盗む以外ない。

達人と言われる人ほど技は隠すものです。
名画を実物から模写をしたとしても正しい技法を知らなければ上っ面をまねるだけである。

私も50年近く油絵を描いてきて自分では『おつゆ描き』をやっているつもりであったが・・・うまくいかなかった。
日本人でも稀にこの技法を自分のものにしている人もいます。
ヨーロッパで学び人の何倍も努力して開花させている人もいます。

何年やってもなかなかうまくいかなかったが最近少し『念描写』に進展が出てきたこともあり、描きこむ時間は増えた。
なかなかうまくいかなかった『おつゆ描き』・・・・・やれそうな気配を感じる。
今まで考えやってきた技法はダメ・・・・・まったく違う描き方であると思う。
まだ結果を出せていませんがこれからうまくいきそうな予感です。

これは教えることはできません・・・・・。
学ぶしかない・・・・盗むしかない・・・・・自分で会得するしかない。


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