飛鳥路 散策
08.11.18
相互リンクしているMiyamaさんのblogで『田中一村展』が奈良県立万葉文化館で開催されていることを知った。会期は11月24日まででギリギリ間に合った。 田中一村は数年前にNHKの日曜美術館に取り上げられてその存在が知られるようになった日本画家である。 私は、TVと印刷物でしかその作品を見たことが無かったのであるが、奄美の強烈な太陽に負けないようなその独特な作品群に強く惹かれていた。Miyamaさんの話によると大阪の大丸で数年前に展覧会があったとか・・・、作品数も代表作も今回の展覧会より多かったようである。 しかし今回の万葉文化館での展覧会は彼の個性と生き様に触れるにはとてもよい環境でした。 静かで落ち着いた飛鳥路での彼の作品との出会いは自分のこれからの作家人生を考える上でも意味の深い時間でした。 近鉄-橿原神宮駅で降り、徒歩で回り道をしながら飛鳥寺に立ち寄ってから、酒船石遺跡のすぐ隣にある奈良県立万葉文化館へ。 展覧会のあとも徒歩で他も周るつもりでありましたが、PM2:00ころMiyamaさんと万葉文化館のレストランで落ち合い、小雨模様でもありかなり寒くなってきたので、軟弱にもMiyamaさんの車に乗せてもらって残り予定の祝戸地区、高松塚古墳地区を回りました。 それから帰る途中に桜井にある喜多美術館に案内していただきました。個人の私設美術館ですが、そうそうたる作家群の、それも非常に質の高い作品がそろっていました。 『田中一村展』にしろ『喜多美術館』にしろ、飛鳥という環境の中で強烈な個性の作家たちと作品を通して語り合うことができたのは有意義な時間でした。最近の私はあまり出歩かないこともありますが、他の作家から影響を受けることを嫌い独自の道を歩きたいと思つつありますが、時にはこうした強烈な個性と対峙することもなければならない・・・・・。 公募展や画壇の中で戦うのもいいかもしれない・・・、しかし一村のような何の損得勘定や栄達も望まず、己の信念の中で生ききった、描ききった人の作品の前に自分を置くと・・・・なんと恥ずべき己の生き様が照らし出されることか・・・・。 一村の生涯の作品数は思ったより多かった。そして年を重ねるほどよくなっている。、死の直前までレベルを上げ続け想像していたよりずっと器が大きかった・・・今回はとても敵わなかった。 しかし、また彼の作品の前に立つときには・・・・敵わぬまでも一太刀あびせたい・・・・。 |
石舞台 周りは柵も記念館も無く石舞台の上で記念撮影 |
岡寺付近 この頃は今のように民家はほとんど無くのどかな風景でした |